はじめに
日本の伝統的な蒸留酒である芋焼酎。
その中でも多くの愛好者に支持され続けているのが「赤兎馬(せきとば)」です。
本記事では、赤兎馬の魅力と特徴、さらに「紫の赤兎馬」との違いについて深掘り解説します。
同じブランドでも異なる味わいを持つ二つの焼酎がどのように楽しめるのか、詳しくご紹介します。
そして、赤兎馬にピッタリの食事のペアリングや、ライフスタイルに合わせた楽しみ方も提案します。
1. 赤兎馬とは?
歴史と背景
赤兎馬は、鹿児島県に拠点を構える本坊酒造によって製造される芋焼酎です。
本坊酒造は1872年に創業した老舗であり、日本の焼酎文化を支える重要な蔵元です。
赤兎馬の名前は、中国の三国志に登場する名馬「赤兎馬」に由来しており、その名に相応しく、力強さと優雅さを併せ持つ焼酎として愛され続けています。
赤兎馬のブランドとその象徴
赤兎馬はそのブランド名が示す通り、名馬「赤兎馬」のように、一度飲めば忘れられない圧倒的な存在感を誇ります。
この焼酎は、品質を急がずに時間をかけて熟成させることで、重厚かつ深みのある味わいを実現しています。
また、赤兎馬のラベルに描かれた力強い筆字も、この焼酎の強烈な個性と品質の高さを表現しています。
赤兎馬の製造方法
①原材料
赤兎馬の原材料は鹿児島県産の黄金千貫(こがねせんがん)という品種のさつまいもと、地元の一等米を使用した米麹です。
黄金千貫は、芋焼酎の醸造において最も適した品種とされ、その質の高さが赤兎馬の豊かな風味を支えています。
②製造過程
赤兎馬の製造は、伝統的な常圧蒸留法を採用しています。
この方法により、さつまいも本来の甘さと風味を最大限に引き出すことができます。
常圧蒸留後、仕込み蔵でじっくりと時間をかけて熟成させることで、味わいはまろやかで深みのあるものに仕上がります。
③醸造に関するこだわり
本坊酒造は製造の各段階において細部にまでこだわりを持っています。
特に注目すべきは発酵に使用する「かめ壺」です。かめ壺発酵は、さつまいもの風味を強く引き出し、まろやかで深い味わいを生み出します。
また、仕込み水としては蔵元が厳選した清廉な湧き水を用いることにより、赤兎馬のやわらかな口当たりが実現されています。
赤兎馬の味わい
①味の特徴
赤兎馬は、まず口に含んだ瞬間に広がる上品な甘さが特徴です。
さつまいもの豊かな風味を活かした味わいは、初心者から熟練の焼酎愛好者まで多くの人々に支持されています。
次に、しっかりとしたコクと旨味が感じられ、後味にかけてはややスパイシーな感覚が心地よく残ります。このバランスの取れた味わいが赤兎馬の最大の魅力です。
②香りの特徴
赤兎馬の香りは、さつまいも由来の甘い香りが豊かに漂い、熟成による複雑かつ深い香りが感じられます。
穏やかながらも奥行きのある芳香は、飲む人の心を惹きつけます。
③芋焼酎としての特色
赤兎馬は芋焼酎の中でも特にバランスの取れた逸品です。
深い味わいと豊かな香りが融合し、多くの評判を得ています。
初心者にも楽しみやすく、同時に芋焼酎愛好者の期待にも応える一本です。
2.紫の赤兎馬とは?
紫の赤兎馬の味わい
①特徴
紫の赤兎馬は、赤兎馬の姉妹品として本坊酒造からリリースされている芋焼酎です。
紫の赤兎馬は、その名の通り紫色のさつまいも「紫芋」を使用しています。
この特別な原材料が、赤兎馬とは異なるフルーティーな風味を生み出しています。
②原材料と製造方法
紫の赤兎馬には紫芋が使用されており、これが独特なフルーティーさと華やかさを醸し出しています。
赤兎馬と同様に常圧蒸留法を用いて製造されますが、紫芋固有の鮮やかで爽やかな風味が楽しめる焼酎に仕上がっています。
③味と香りの違い
紫芋を使用することにより、紫の赤兎馬は赤兎馬とは異なるフルーティーな香りが特徴です。
味わいも非常に華やかで、軽やかな飲み口が魅力です。
赤兎馬と比較するとより華やかでフレッシュな印象を持つ焼酎です。
3.赤兎馬と紫の赤兎馬の比較
風味の違い
赤兎馬は重厚で深い味わいを特徴としますが、紫の赤兎馬はより軽やかでフルーティーな風味が特徴です。
どちらも高品質な焼酎ですが、それぞれの味わいのスタイルがはっきりと異なります。
おすすめの飲み方
赤兎馬はコクと深みのある味わいを楽しむためにロックやストレートで飲むのがおすすめです。
一方、紫の赤兎馬はそのフルーティーな香りと爽やかな味わいを活かすために、ソーダ割りや水割りで飲むのが良いでしょう。
4.赤兎馬に合うペアリング
おすすめの5つのペアリング
①黒豚しゃぶしゃぶ
- 鹿児島県の特産品である黒豚のしゃぶしゃぶは、赤兎馬の豊かな芋の風味に非常によく合います。豚肉の旨味が赤兎馬のコクと相性抜群で、さらにはポン酢やごまだれと合わせることで、その味わいが引き立ちます。
②鰻の蒲焼
- 鰻の濃厚なタレと脂ののった身は、赤兎馬の甘さと深みのある味わいとよく調和します。特にグリルされた香ばしさが、赤兎馬の後味にかけてのすっきりとしたスパイシーさを際立たせます。
③豚の角煮
- 醤油と砂糖でじっくりと煮込まれた豚の角煮の濃厚な味わいは、赤兎馬のまろやかさと非常によく合います。角煮の旨味が、赤兎馬の甘さと深みをさらに引き立て、贅沢な味わいを楽しむことができます。
④天ぷらの盛り合わせ
- サクサクの衣と素材の風味が楽しめる天ぷらは、赤兎馬のバランスの取れた味わいと相性が良いです。特に、さつまいもの天ぷらと合わせることで、赤兎馬の甘みが引き立ちます。
⑤チーズの盛り合わせ
- 熟成された濃厚なチーズやブルーチーズのようなクセのあるチーズは、赤兎馬の香りと味わいを豊かに感じさせてくれます。特にワインと異なる焼酎ならではの深みを楽しめる組み合わせです。
5.赤兎馬の楽しみ方
ライフスタイルに合わせた飲み方
赤兎馬は、その豊かな風味を生かして、さまざまなシーンで楽しむことができます。
家でのくつろぎの時間に: ロックやストレートでゆったりとした時間を過ごすのに最適です。
友人との食事に: 天ぷらや豚の角煮などとのペアリングでより一層楽しいひとときを。
特別な日の乾杯に: 赤兎馬の深い味わいを楽しみながら、特別な日の乾杯に。
おすすめのシーン
季節の変わり目に: 秋の夜長や冬の寒い夜に、体を温める温燗で楽しむのもおすすめです。
アウトドアでのバーベキューに: 炭火焼きの肉料理と赤兎馬は相性抜群です。
6.赤兎馬の入手方法と価格
赤兎馬は、全国の酒販店やオンラインショップで入手することができます。
価格帯は、通常1800mlで3,000円前後となっており、高品質な芋焼酎としては非常にコストパフォーマンスが高い商品です。
紫の赤兎馬も同様に入手でき、同じ品質で楽しむことができます。
7.芋焼酎「赤兎馬」が好きな人におすすめの芋焼酎5選
最後に、赤兎馬がお好きなあなたに、おすすめ芋焼酎を5つ厳選してご紹介します。
ぜひこの機会に、新しい美味しさとの出会いを楽しんでみてください。
1. 三岳(みたけ)
特徴:
屋久島産の自然水を使用した上質な芋焼酎です。
屋久島の豊かな自然の中で育まれたさつまいもと清水が、三岳の独特なまろやかな味わいを生み出します。
味わい:
最も際立つのはその柔らかさ。
香りは控えめですが、飲むと芋の甘みが穏やかに広がり、クリアな後味が特徴です。
冷やして飲むと爽快感が増し、食事との相性も良いです。
2. 黒霧島(くろきりしま)
特徴:
霧島酒造の代表作で、黒麹を使用しています。
黒麹は甘みやコクを引き出す効果があり、より深みのある味に仕上げられます。
味わい:
豊かな芋の香りと、しっかりとしたコク、そして滑らかな口当たりが特徴です。
うまみ成分が多く含まれているので、ロックや水割りで楽しむのがおすすめです。
3. 魔王(まおう)
特徴:
白玉醸造が誇るプレミアム焼酎で、入手困難なことで有名です。
とても丁寧に作られており、その品質は一度飲んだら忘れられないほどです。
味わい:
香り高く、フルーティーな香りが特徴です。
味わいは驚くほどまろやかで、余韻も長く続きます。甘みとコクのバランスが絶妙で、ストレートやロックでそのまま楽しむのが最適です。
4. 森伊蔵(もりいぞう)
特徴:
鹿児島県の森伊蔵酒造が誇る最高級の芋焼酎。
通常の方法では手に入りにくく、抽選販売でしか購入できないことも多い人気銘柄です。
味わい:
極上のまろやかさが特徴で、さつまいもの甘さが優雅に広がります。
香りも非常に豊かで、クセがないので初めて芋焼酎を飲む人にもおすすめです。飲み方としては、ストレートやロックがベストです。
5. 富乃宝山(とみのほうざん)
特徴:
西酒造が手掛けるプレミアム芋焼酎。
黄麹を使用しており、華やかな香りとキリッとした味わいが特徴です。
味わい:
柑橘系の爽やかな香りが広がり、まろやかな甘みが続きます。口当たりはスムーズで、後味も非常にさっぱりしています。
冷やしてストレートで飲むのが一番おいしいですが、ソーダ割りもおすすめです。
8.まとめ
芋焼酎「赤兎馬」と「紫の赤兎馬」は、それぞれ異なる魅力を持つ焼酎ですが、どちらも本坊酒造の技術と情熱が込められています。
重厚で深い味わいを持つ赤兎馬と、軽やかでフルーティーな紫の赤兎馬。
それぞれの風味を楽しみながら、自分好みの飲み方を見つけてください。
また、料理とのペアリングやシーンに合わせた楽しみ方を工夫することで、赤兎馬の新たな魅力を発見できることでしょう。
ぜひ、赤兎馬を手に取り、その深い味わいと香りを堪能し、特別なひとときを過ごしてください。